雪城蓮のブログ

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50周年!漫画『ブラック・ジャック』の面白さとは何か?

ブラック・ジャック』は、手塚治虫先生による医療漫画の金字塔です。1973年から1983年まで『週刊少年チャンピオン』に連載され、全242話が発表されました12。無免許の天才外科医ブラック・ジャックが、様々な病気や怪奇現象に挑む物語で、医学的リアリティと大胆なフィクションが見事に融合しています。

この作品の面白さはどこにあるのでしょうか?3つの点を挙げてみたいと思います。

 

1. ブラック・ジャックのキャラクター

ブラック・ジャックは、無免許ではあるものの、世界中に名を知られる天才外科医です。彼は、死にかけた患者を救うために、驚異的な技術と知識を発揮します。しかし、その代償として、常に高額な報酬を要求します。彼は自分の正義と信念を貫き、時には法や倫理に反することも厭いません。彼は冷徹で無情に見えますが、実は人間味や情熱に溢れています。彼は自分の過去や出自を明かさず、顔に傷跡や色素異常があります。彼はピノコという助手と一緒に暮らしており、彼女を妹のように可愛がっています。

ブラック・ジャックは、医者としても人間としても複雑で魅力的なキャラクターです。彼の行動や言動には常に驚かされますが、彼の心情や思想にも深く感動します。彼は読者に多くの問いかけや考察を与えてくれます。

 

2. 病気や事件の多様性

ブラック・ジャック』では、様々な病気や事件が登場します。一話完結形式で描かれる物語は、現実的なものから非現実的なものまで幅広くカバーしています。例えば、

異星人やミイラ、幽霊、感情と自我を持つコンピュータを手術する話
身体が逆さまになった少女や体内に双子がいる少女を治療する話
爆弾テロや戦争や災害などで負傷した人々を救う話
人間関係や社会問題などが原因で病気になった人々を救う話
医学界や組織と対立したり協力したりする話

などなど。

これらの話は、医学的な知識や情報だけでなく、人間の心理や感情、生命の尊さや意味なども描いています。読者はブラック・ジャックと一緒に様々な倫理的な問題や哲学的な問題に直面し、解決に向かっていきます。これらの話は、読者の知的好奇心や感動を刺激してくれます。

3. 手塚治虫の作画と演出

ブラック・ジャック』は、手塚治虫先生の作画と演出の妙が光る作品です。手塚先生は、医学博士であり、医者の免許を持っていました。そのため、臓器や手術法の描写はもちろん、患者に対する接し方や、生命に対する哲学的なまなざしなどは、現役医師にもリスペクトされています34。また、手塚先生は、独自のスター・システムを用いて、自分の他の作品のキャラクターを登場させたり、自分自身もカメオ出演したりしています。これは、読者に親しみや楽しみを与えるとともに、作品間のつながりや深みを生み出しています。

手塚先生は、作画だけでなく、演出にも優れています。彼は、カット割りやコマ割り、構図や色彩などを巧みに使って、物語のテンポや雰囲気を作り出しています。彼は、コミカルなシーンや感動的なシーン、スリリングなシーンやショッキングなシーンなどを自在に描き分けています。彼は、読者の目と心を惹きつける名人芸を見せてくれます。

ブラック・ジャック』の面白さについて書いてみました。この作品は、ブラック・ジャックのキャラクターと病気や事件の多様性と手塚治虫の作画と演出という3つの要素が組み合わさった素晴らしい作品だと思います。この作品は、令和でも面白く読める不朽の名作です。